ビートルズ・ファンが初めてロンドンを訪れる時、まっさきに出向くのがアビー・ロードだと思う。これは言うまでもなくビートルズが１９６９年にリリースした彼らの実質的なラスト・アルバム「ABBEY　ROAD」のジャケットが原因である。EMI スタジオの前にある横断歩道（ロンドンではその模様からアビー・ロード・ゼブラ・クロッシングと呼ばれている）をビートルズの４人が渡って行く、そのジャケットはあまりにも有名だ。このアルバムが発売されてここはビートルズ・ファンにとっての聖地となった。

１９６９年８月８日午前１１時３５分頃、ビートルズの４人はこの横断歩道を３往復。６枚のカットが撮影された。そのうちの１枚が彼らのジャケットに使用された。その１枚は奇跡のように美しいバランスを保ち歩く４人の姿を瞬時にとらえている。撮影したフォトグラファーはイアン・マクミラン、ジョン・レノンの友人である。

それ以来、これまでにどれほどの人が世界中から此処にやって来て記念撮影をした事だろう。人々は決まってビートルズと同じポーズでこの横断歩道を渡るのだ。そして、アビー・ロード・スタジオ（かつてはEMI STUDIOという名称だった）の前にある壁はファンの落書きで埋め尽くされスタジオ・スタッフが１週間ごとそれを塗りつぶす。そして真っ白に塗り替えられた壁はその日のうちにまたもや落書きで埋め尽くされる。ファンがやって来ては思いの丈を書き記して行くのだ。そんなことがこれからも永遠に繰り返されて行くのだろう。この世界一有名な横断歩道があるレコーディング・スタジオ（ビートルズはそのほとんどの楽曲をこのスタジオでレコーディングしている、言わばビートルズのスタジオである）はその大挙して押し寄せるファンにはとてもきびしい。ガレージになっている前庭には入れてもスタジオの中の見学はいっさい許可されない。音楽関係者が見学を申し入れてもそのセキュリティーは相当厳しい。スタジオ使用者のみ中に入る事が許される。僕は１９９３年このスタジオのフラットに１週間滞在したことがある。知り合いがレコーディングをしていたので便乗したのだ。その時、僕はこのカード・キーをスタジオから渡された。フラットはもとよりアビー・ロード・スタジオの中を自由に歩き回ることができるパスポートを手に入れた感激は今も忘れない。

さて、この「ABBEY ROAD」に関わる素晴らしいニュースを間もなく皆さんに届ける事が出来る。 楽しみに待っていてください！！