Rocker and Hooker

もう10月ですね。昔は意地でも10月1日に「衣替え」タイミングを合わせて、秋冬モノに袖を通して街に出向いたものです。
しかして現在のこの異常気象っていうか温暖化??皆様、衣替えのタイミングってどこにおいてるんですかね?もちろんお店には秋冬ファッション提案が溢れ、冷房のギンギンに効いた店内でニット類も販売はスタートしてるんですが、これに違和感を感じるここ何年か。
自分は「海の日」から誕生日(9月19日)までをハワイアン・シャツを着用する期間として、誕生日から10月いっぱいをTシャツ&ジャケットっていうコーディネイトをするってのが定番となっている気がします。だからちょうど今頃がロックT×ジャケットっていうファッションの日々かな。大好きなヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivian Westwood)なんかのジャケットにロックTを合わせる。それもそれでワクワクの楽しい日々であるのです。

そんな日々、ロックを愛する自分のような人間にとって、やっぱりロックTの神髄を極める事ってすごく大切。誰かと同じにならない、そしてメッセージは自分流、さらにファッション・アイテムとしての美しいTシャツのフォルム。
うん、ROCKER AND HOOKERでずっとリリースしてきているロック系のフォトTはもちろんそういうこだわりに根ざして製作されたものなのだけれど、前にもご紹介したサブカル復権激推しのサイト/WEBショップであるFundom(ファンダム)がリリースしているロックT/フォトTも同じ精神のもとで製作されたものであります。ここンチのTもROCKER AND HOOKERで買えるしね。
改めて、代表的なFundomのロック系フォトTをご紹介。自分も愛着しているモノです。人から「あれ!?それどこで売ってるの!?!?」って聞かれること必至のアイテムざんす(笑)。
ここで紹介するもの以外にもクラッシュ(The Clash)のジョー・ストラマー(Joe Strummer)、エコー・アンド・ザ・バニーメン(Echo And The Bunnymen)のイアン・マッカロク(Ian McCulloch)、ジャパン(Japan)のデヴィッド・シルヴィアン(David Sylvian)みたいな美しいロック・フォト・アイコンから、サイキックTV(Psychic TV)やキャバレー・ヴォルテール(Cabaret Voltaire)にスージー・アンド・ザ・バンシーズ(Siouxsie & The Banshees)、スリッツ(The Slits)に至るまでのコア・アイコンも取り上げて来たFundomのロック系フォトTは全くもって唯我独尊のプロデュース姿勢を誇って来たものであります。全てハービー・山口氏による、70〜80年代の彼のロンドン滞在イヤーズに撮影された写真を選ばせて頂いております。



まずはこちら。
ジョン・ライドン(John Lydon)、時々ジョニー・ロットン(Johnny Rotten)。ポップと革新、流行とアヴァンギャルド、諸刃の刃の上に寝そべり、ヘラヘラと時代を標榜し続けていたロック・アイコン。
もちろん彼の最初のバンドであるセックス・ピストルズ(Sex Pistols)から始まって、彼にまつわるロックTは過去に数知れず。おそらくモチーフとしての彼の作品の多さはロックT5本指に入るかも?ただ、そういうシーンに対して批判的な態度をとることって意外に難しくて。だってロックTという概念においては、ビートルズ(The Beatles)、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)、それにローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)はもはや「事象」だし。すなわち歴史と向かい 合った結果、そこにある〈作品〉としての肖像。ボブ・マーリー(Bob Marley)とかもそうかも。そんな中で、現役としてそういうシーン(音楽、ファッション、諸々)と戦っ ているアーティストの筆頭にあるのがジョン・ライドンだと思う。自らが持つ歴史と足跡への葛藤、そして独自の解答。もしかしたら彼こそが、ビジネスにまでも言及せざるを得ない近代的ロック・シーンにおける本当の旗艦アーティストなのかも。
見て下さいな、この「目力」!このTのモチーフとなる写真を撮影したハービー山口氏から貴重な証言をいただきました。これはまさにピストルズを空中分解させた全米ツアー後の、P.I.L(Public Image Ltd.)の結成を機に開いた記者会見でのショットだと。世界中から集まったカメラマンに囲まれていたジョンに、ハービー氏も含め、カメラマンは全員激しく熱狂的にストロボを発光させていたという。その途中、BBC(英国メインTV局)のテレビカメラが照明をつけた時、ハービー氏は咄嗟にストロボをオフにしたと。その甲斐があって、テレビのライトによる光の陰影を利用して、まるでスタジオでライティングした様な立体的な照明をジョンの顔に得る事が出来たっていうそんな結果のこのショットです。
すなわち、このTに袖を通す皆様は「商業的になりつつあるパンクの歴史に終止符を打った」瞬間を身に纏う訳です。P.I.Lってそういうことですから。 それにしても素晴らしい写真ですな、このモチーフ。美しくも儚い時代のメッセージを身につけるていうロックTのある一面を明確に再現できた素敵な逸品であると自負しております。



そして続いてはカルチャー・クラブ(Culture Club)のボーイ・ジョージ(Boy George)。の最高にイカした写真のTシャツ。
彼のバンド=カルチャー・クラブほど世界に愛され、誤解され、そして巨大なマーケットを築きつつも音楽的に適切な評価を得られなかったバンドも珍しくはあるまい。う〜〜ん、永遠の〈色モノ・プリンス(プリンセス!?)〉が彼なのだろうか?
1970 年代、当時的な印象を言えば、ロック・シーンにおける女装の麗人と言えば、ギリギリのメジャー・シーンでウエィン・カウンティ(Wayne County)くらいだったのではないか、 と記憶する。もちろんアンダーグラウンドなシーンではジョブライアス(Jobriath)のような気鋭のカミング・アウト組もあり、ブラフっぽいイメージであのデヴィッド・ボウイ(David Bowie)やルー・リード(Lou Reed)、そしてあろうことかストーンズのミック・ジャガー(Mick Jagger)もお互いのバイ・セクシャルな交遊を公言し、〈新しい〉恋愛形態を 提示していたりもした。そうそう、もちろん天才エルトン・ジョン(Elton John)もそんな時代で独特の恋愛観に生きていたわけで。。。。 そして1980年 代、英国がパンク、ニュー・ウェーヴの純粋かつ愛すべきガサツな姿勢を以て音楽シーンの価値観を塗り替えた時代、そこに颯爽と登場したのがボーイ・ジョージ率いるカルチャー・クラブであった。鮮烈なビジュアル、そしてボーイ・ジョージという人間/ヴォーカリストにある特異なコンセプト、そして何といっても 圧倒的に完成度の高い楽曲群。彼等がイギリスの音楽シーンを瞬く間に席巻し、アメリカのチャートまでをも凌駕し君臨したのも当然と言えば当然。それにして も艶やかな存在感でした、ボーイ・ジョージ。
余談ですが、カルチャー・クラブのデビュー曲、今では邦題『君は完璧さ(Do You Really Want To Hurt Me?)』で知られてますが、 当初は『傷つけたいの?』なる邦題が最初だった気がします。どこで戦略の軌道修正をしたのかは不明ですが、〈主体〉に当てたスポットを〈主体が客体との距 離を測る〉というスタンスにシフトした修正の感覚は正解だったと思います。タイトルから受けるイメージの世界観は絶対に広がったと思う。
あの頃、同時期に婉然たるゲイ・カルチャーの燃え盛った英国ロック/ポップス・シーン。デッド・オア・アライヴ(Dead Or Allive)のピート・バーンズ(Pete Burns)、ソフト・セル(Soft Cell)、ブロンスキ・ビート(Bronski Beat)のジミー・サマービル(Jimmy Somervile)、そしてスミス(The Smiths)のモリッシー(Morissey)。いずれも高い知性と音楽観を誇ったアーティスト達。その後のジョージ・マイケル(George Michael)のカミング・ アウトも含め、当時のシーンにおけるゲイ・カルチャーの重要性を証明するラインナップだ。伝説のバンド・エイド(Band Aid)のレコーディング映像では不仲説のあったデ ユラン・デュラン(Duran Duran)のフロント・マン=サイモン・デ・ルポン(Siom Le Bon)と取材陣の前で敢えての抱擁を見せたり、世界制覇前夜のU2のドラマー=ラリー・ミューレン(Larry Mullen)への 片思いを告白したり、とにかくセンセーショナルだったボーイ・ジョージ。そんなエピソードの全てが〈ネタ〉にならずに〈伝説〉になったのは、偏に彼の唯一無比かつ圧倒的な音楽的な才能によるものだろう。あの時、まさしく彼は新しい時代を謳い上げる、祈りを体現出来る白人のゴスペル・シンガーであったと思う。
Tシャツにプリントされたこの静謐で印象的な写真を撮影したハービー・山口氏の貴重なコメント、「当時、彼とはデビュー前にルームシェアをしていたことが あった。その後、カルチャー・クラブでデビューした直後の彼の新しいフラット(部屋)に遊びに行ったのを思い出す。まだ、メガヒット前だったので、ステージ衣装を自分で洗濯するなど質素な生活が伺えた」。
まさに、その〈瞬間〉を切り取った写真がこれであろう。こんなエピソードだけでも、ロック/ポップスの歴史の一端を身に纏う意味、そのモチベーションは強烈に上がるはずだ。



続いて、今回フィーチャーした三枚の中で、自分が最も推したい一枚のお話!
ドゥルッティ・コラム(The Dorutti Column)の主宰者=ヴィニ・ライリー(Vini Reilly)の臨界点ギリギリのショットによるもの。
「繊細さと狂気が紙一重で云々。。。。」。
ジャンルにとらわれず、個性的な芸術家を語る時にしばしば用いられる表現ですね。しかし、そんな使い古された凡庸な表現手法自体がこんなにも輝きを伴って 活き活きとし出す芸術家、そしてミュージシャンを私は他に知らない。それこそがヴィニ・ライリー、そしてほぼ彼のワンマン・プロジェクトであるドゥルッ ティ・コラム。これは、おそらく世界で初のそのフォトTシャツであります。
まずはこの「目」を見て下さい。これは間違いなく〈あっち側〉を見ている目です。すなわち〈この世ならざるもの〉を見ている。この「目」の向こうにあるも の、「目」がとらえている風景、それこそが彼の美しい音楽の根底を支えている感性の根源なのでしょう。「美しさ」、「儚さ」、「脆さ」、「危うさ」、そし て確信犯的な「強靭さ」。それら全ての形容詞が当てはまる音楽があることをあなたは知っていますか?ようこそヴィニの音楽世界に。彼とともに〈あっち側〉 に行こうではありませんか!

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chilli Peppers)のキャリア最重要メンバー=ギターリストであるジョン・フルシアンテ(John Frusciante)、さらにはU2のサウンドのキー・マンであるギターリストのジ・エッヂ(The Edge)、この二人から「最も影響を受けたギターリスト」としてその名を挙げられるヴィニ。これが意味することを考えてみて下さい。21世紀現 在の近代的なロックを検証する時に欠かせない最重要パーソンであるこの二人のギターリストから賞賛を受けているヴィニって一体?? FundomのTシャツ、今回の三枚の中、いや全てのこのシリーズのTシャツの中にあってもこれは最も「音楽を咀嚼してから!」着て欲しいTシャツなのです。だってヴィニを〈旗印〉として胸に掲げるっていうのは、それなりの〈覚悟〉を持つことだから。一般的なマーケットの中では語られることの無かったロックの本質的な歴史の一端 にリスペクトを表明することになるのだから。
20代前半でパンク勃興の余波を受けて、意外にもヴィニの音楽的なキャリアのスタートはパンク・バンドであった。彼の独自な感受性が、ヒリヒリとした〈当時性〉に反応した所以なんであろう。しかし、ほどなくパンクの持つ形骸化したスタイルとしての在り様に疑問を感じ、彼は現在の音楽スタイルを70年代 (ドゥルッティ・〜としてのデビューは1980年)より模索し始める。英国インディーズの礎を築いたファクトリー・レコード(Factory Records)という素晴らしい土壌において。 以降、彼のその音楽/活動スタイルにブレは一切無し。ソロ名義でも。美しさの基盤にブレの要素など一度も無い。永遠に〈彼岸の美しさ〉を提示する音楽を送り続けてくれている。
もう一度、この写真を撮影したハービー・山口氏からのリアリティ溢れるコメント。「イギリス北部の街の彼の自宅での撮影だ。撮影中『へこみがちでベッドに寝込んでいる時があるんだよ』とインタビュアーには決して漏らさないことを打ち明けてくれたのが印象的だった」。う〜〜む。ヴィニの音楽、姿、在り様を思う と納得のエピソード。 これは余談なんだけれど、1985年の初・単独来日公演のライヴの模様はセル・ヴィデオ化され、そのタイトルもまさに『Domo Arigato』(!!そしてその後、音源はCD化もされた。筆者、現場にいました)、さらに日本の文化、国民性に感動し、深くその精神性に傾倒したヴィニはその想い出と記念として帰国後にEPシングル作品『ささげもの〜Dedications for Japan』(2曲入り)をリリースしている。シングルのスリーヴ裏面には「この演奏は、日本に捧げられる。決して忘れられない愛、友情、美と出会ったこの地に。/This music is dedicates to Japan for the love,friendship and beauty we found here and will never forget.」と、記されている。



さてさて、こんなにしてFundomからリリースされROCKER AND HOOKERでもご愛顧いただいているロック系フォトTシャツのご紹介を今回はさせていただきました。
暖冬ってのは大きな社会的問題を縫合しているんだけれど、ロックTのファンにとっては一年中ロックTで人生のスローガンを主張し、そんな日々を謳歌できるっていう時代の到来でもある。
そもそもロックとは〈態度〉の象徴である。だからロックTはその〈旗印〉となり得る。2013年、そして来るべき2014年に向けて、ROCKER AND HOOKERはオリジナルのロックTを推し続けるのである!




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